ボールは陸路カスールへ
50個の古いボールが入ったダンボールはタンザニアの税関をクリアー。さあ、ここから難民キャンプまでが長い長い道のりです。
ところで、何でタンザニアになんか行ったのかですって?
実は今回の取材はバレーボールとは関係がありません。往年のマラソンランナー瀬古利彦さんと早稲田大学競走部のメンバー等と国連難民高等弁務官事務所が一緒になってムタビラ難民キャンプで行う「駅伝フォーピース」を取材するために同行することになったのです。
その取材のついでに、50個のボール、重量にして20キロ分を空路日本からタンザニアまで運ぶことにしたのです。普通、国際線エコノミークラスで移動する場合、フライトの重量制限は20キロですが、タンザニアの場合は特別例外で30キロまでの持込を許可しているのだそうです。宮嶋の私物は10キロだけ。フライト重量制限まで20キロの余裕があったので、北海道の樹海中学からの申し出を受け入れることにしたのです。![]()
ダルエスサラームから小さな機体の国内線に乗り換えて3時間。タンザニアの西の果てキゴマに到着します。着陸の瞬間、瀬古さんが叫びました。「何じゃこりゃ!舗装していない滑走路か?」
真っ赤な土の滑走路の上に機体ががくんと大きく揺れて着陸です。見るもの聞くもの、初めてのものばかり![]()
キゴマは長細いタンガニーカ湖のほとりにある街です。いたるところに緑があり、アフリカとはいえ暑さもそれほど気になりません。このあたりは大地溝帯と呼ばれ、ここで起きた自然環境の変化が人類の誕生を促したと言われています。
人類発祥の地・・・・いやあ、本当にエライところにきてしまいました![]()
ダンボール2箱はキゴマでバスの後部座席に積まれます。キゴマからカスールへの道は2時間の予定でした。
道もごらんの通り舗装なんてされていません。赤い土です。よくアフリカの絵を見ると道が土色と言うよりも赤に描かれていますが、まさにその色です。テラ・ロッサというのでしょうか。![]()
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しかし、この4日間
雨がふりつづいていたために、赤土の道は粘土のようになってタイヤに絡み付いていきます。この悪路を制覇しているのはほとんどがトヨタのランドクルーザー。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)がオフィシャルで使用しているのはこのランクルだそうです。世界のどんな道でも安心ということでしょうか。そのランドクルーザーでさえも、時折振付ける雨の中、わだちをよけながら、ゆっくりと進みます。学生や物資を載せた大型バスは、ランクルについてくるだけでせいいっぱい。
「危ない!無理だ!」
そう叫ぶ瀬古さんの声も届かず、道路工事中の悪路で、キュルキュル回るバスのタイヤが泥を無意味に跳ね上げ、ついにスタック。大きな車体までゆっくりと傾き始めました。これは危険だ!!
6人のボランティア学生たちがバスから緊急脱出。
危機一髪
。
雨の中で、一人一人ランクルに分乗。ぎゅうぎゅうづめでもこの方がずっと安全です。
乗客が降りて軽くなったくバスはするするっとぬかるみから脱出。バスの後部座席で傾いていたダンボール箱も道の中で捨てられずに済みました
。
そんなこんなで、国連難民高等弁務官事務所カスール事務所に到着した時には12時を過ぎておりました。キゴマを出てからガタゴトガタゴト4時間半も揺られていたのです。車酔いで真っ青な顔をしている学生もいました
。
それにしても、アフリカの人は本当によく歩きますね。地元の人にとって移動の手段は自分の足しかないのです。まさにon footです。野菜も、水を入れたバケツも頭の上に載せて運びます。てくてく、テクテク、決して急がずリズムよく歩いていきます。
あれっ?なんだかずいぶん大きな物を頭に載せていますよ。一体あれは何?
よ~く目を凝らしてみると、なんと、テーブルじゃないですか。大きなテーブルを頭の上に載せて運んでいる人も見かけました。
かつて練習で地球3周半を走行したランナー瀬古利彦氏もタンザニアの人々の脚力には脱帽のようでした。
カスールから車で30分、さらに奥に入って、いよいよ目的地のムタビラキャンプが近づいてきました。
つづく



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